”ひむか”巡行 その3・民宿”焼畑”にて

椎葉クニ子さんは先祖代々の焼畑農法を受け継いでこられた全国的に、いや世界的に有名な方で、今年米寿とか。今は息子さんが農法と民宿を継がれています。お会いしてみると、元気でおちゃめな可愛いお婆ちゃんでした〜。
歩く植物図鑑と呼ばれるお婆ちゃんから聞いたことはキリコには、へっ!へっ!と驚くことばかり。
例えば
「お婆ちゃん、百合根はうちの山でなかなか手に入らないから、本や人づてでウバユリも美味しいと聞いて食べてみたんだけど、苦くて食べれなかったよ」
”あんた、男ゆり食べたんじゃろ”
「へっ!ウバユリに男と女とあるの?ゼンマイは聞いたことあるけど」
”茎が地面につーっと突っ立つのが男たい”      「・・・妄想ぽっ」
”その鱗茎は小さくて美味くないよ、葉が地面からすぐ出て広がるのが女ゆり、これは旨いよ、でも、これは次の年には男ゆりになるよ、交代するんだよ”   「へっ!両刀遣い?うらやまし」
「お婆ちゃん、蛇苺の焼酎漬けがこの頃万能薬と言われているけど、そうなの?」
”あの赤いところは毒だよ”   「へっ!私食べれると聞いたから食べたけど、チョーまずくて吐き出したよ」
”あんた、吐き出したから良かったんよ、あれは赤いところが毒だからそれをひんむいて中のピンクのところだけ食べるの。旧暦の5月5日にそれをひとつ食べると、流行病にかからないといわれて、子供の時から婆ちゃんは一回もかかってないよ”   「へっ!凄い」
”うちのお茶は山から挿し木で増やしたんよ。小さい枝をまとめて一箇所にさすの、そうすると、早く大きくまとまって育つよ。豆の種も蒔くときそうするといいよ”
「へっ?私は天地人とつぶやいて3つ蒔いて、後から間引いてるよ」
”あんた、間引きや3粒は可哀想じゃろ”「・・・?」
”ひとつあぶれて、寂しい思いしてひがむよ、お妾さんは寂しいんよ”  「へっ?」  ”だから、4つ、くっつけてそのまま育てるの”
「・・・う〜ん、深いな〜」



夕食になって、お婆ちゃんが側で説明
今夜の天ぷらは野草も含め11種キリコが知らないのは1つだけだったけれど、お婆ちゃんの説明が面白い、名前がすぐに出てこないと”これは牛草、これも牛草”「へっ!牛草?」”牛が好きで食べるんよ”「ああ、これはハルジオン、これはアカツメクサやね」”これはハーブ”「何という名前?」”ハーブ”「・・・へっ」
まあ、こんなふうで話しててとても楽しい!

名物の菜豆腐、ヤマメの甘露煮も
[
これは椎葉伝統のソバ料理「ワクドウ汁」
朝食
]


そして、椎葉家はもちろん平家の子孫
秋の平家祭りにはお孫さんも鶴富姫役になったとか
又、ぜひ訪ねていきたいな〜


そしてそして、ここで出会った”あいりん”さん。大阪泉南在住で、ハーレーで南小国にもしょっちゅう来てるそうだ
話が弾んで夕食後もお婆ちゃんに”あんたらまだ話してんのかい、ハヨお風呂はいらんね”と呆れられた
そして隣同士の部屋で休んで翌朝も5時過ぎから目がさめたのでヒソヒソ話
”あいりん”さん、なんとアイスランドに若い頃留学しててケルトとも縁が深い
北欧・ケルトストーンサークルアイリッシュ・黒マリア像・・・
うう〜なにか繋がっていきそうな、必然的な出会いだ


翌日の巨石が待ってるぞ〜続く