お盆です

”キリコさん、ユズボウさん、連れて帰ってきましたよ”

「まあ、アントニー王、今年は貴男が御役目だったのね、ありがとう、お疲れ様でした」
”ふうぅ〜でも、なんでこんなに重たいんですか、未だこっちに想いが残ってんですか〜””
「そうみたいね、キリコは阿保だから誰かにだまされないか、ヘマばかりしてお客様に迷惑かけてないか心配で心配で仕方ないみたいよ」

”んーん、その気持わかるな” 「なにっ!」
”いやいやところで、この幟なに?”
「ああ、これね、ユズボウがいなくなってから
パソコン開けたら、こんなフォルダがあってね
。どんな事書かれてたかって?うふふ、それはそれは、愛の言葉がいっぱい!
でね、お盆に帰って来る目印にはこれが一番かなって」

”ふ〜ん、キリコアイシテルっかー、ユズボウさんも、やるね〜”
「うん、女冥利につきるね、だから今でもキリコは幸せモン!」

”そうか・・・でもね、ユズボウさんはもう形ないでしょ・・・えーと、僕はすぐ側にいるし、触れることも出来るでしょ・・・
あのその、一目見た時から僕は僕は・・キ・キリコさんを・・・ズズズー”

「ん?ん? ありゃ、これって愛の告白?
年若い貴男に言い寄られるなんて、これまた、女冥利に尽きるわね〜」



「こらー、お前え!俺の女を口説くなんて100年早えんだよー」


”うわっ、ユスボウ!怖え〜
でも僕は100年なんか待つてられないっすよ
イノチ短かし恋せよクワオ!
一応、虫ですから細かいこと無視して下さいよ、ねっ、ねっ”

「全く!ああ言えばこう言う、口先男め。キリコもキリコだ、こういうのに弱いんだから・・・
だから、俺は気が気でなくて、いつまでもあっちへ行けないんだよ」