大晦日のお仕事


今朝も雪がコンコン。
20センチは超えているかな。わん公たちもうれしそうだ。多分嬉しいだろうなーと決め付けて雪の中を三人(匹)ではしゃいだ。一才の”いけめん清兵衛”より十二才の”花”の方が喜びを爆発させているようだ。東京も雪は降るから懐かしいのだろうか。”清兵衛”の方は、赤ん坊以来の雪では記憶にありませんかな。

  • 年越しそば打ち

≪注意:民泊「木もれび庵 たゆたゆ」でお食事を注文されてもそばはメニューにはありません。何が何でも食べたい!!となればお創りしましょう≫
この新そばは阿蘇・久木野産で新しいから打ちやすいし美味しい。店で買うそば粉は劣化しているから私には難しい。
【準備】
10割そば、つまり「何も足さない、何も引かない」100%のそばを作るので熱湯を準備する。しかも新そばだから水分は45%ぐらいにした。信頼できる蕎麦屋『駿』の知人曰く「古いそば粉を打つときは、つなぎ(中力粉)を入れた二八そばが良いし、水も50%ぐらいだろう」。
100グラムの粉を一人前として4人分、400グラムの粉を用意した。古いそばなら水をたくさん使うことになり、ほとんどの蕎麦屋では五割が水のそばを食べていることになる。だから案外とそばは腹がふくれる。
【水回し、湯もり】
お湯だから素手で混ぜられません。箸で少しかき混ぜて両手でこねる。固めて数分置く。その後、粒子を大きくして全体を固める。
【菊練り、へそだし】

塊を立てて鉢に押し付けるように練りこむこと300回。軟弱な百姓は腕が痛い。アアッ僕には4人前が精一杯。(例えば、蕎麦屋の看板に『消耗のため本日は閉店しました』と書いてある店があればファンになりそう)疲れても我慢してこね続ける。(そば打つ職人に女性がいないことに気づいた。やはりこれは力仕事だから無理かな。足で踏む人もいるけどね)
つやが出てきて美しい肌になったら円錐形にまとめて台形に進む。
【延し】
麺棒で丸出し。
麺棒の両端を両手で押さえて押しながら伸ばすのだけど、どうしても右手に力が入るのか、右側がどんどん延びていく。正方形に作らなければと頭で思いながらひし形になってしまう。アララいけないよとまわして修正すれば余計にいびつな形に。これも回を重ねて解決です。
【切る】
専用の中華包丁風なもので駒板をずらしながら切る。同じ幅で切れるもんですか。太かったり、細かったりは当たり前。以前、名人の奥さんに叱られた。「こんなものお客さんに出せません」

【茹でる】
切ってすぐにはゆがかない。「打ちたて」ではなく30分ぐらいおいて湯がいたほうがいいらしい。そばの中の空気を抜くのがその理由とのことだった。茹でる時間も栄養と風味の兼ね合いで30秒前後と教えられた。「長くゆがくな。硬い方がよい」(これも好みでーというと反論あり。「そば道にはあれもこれもない」)

【出来上がり】
やはり美味い。自作自慢ではないですが、新しいそば粉(挽きたてではないだろうけど)を打ちたて、茹でたてで食べるのはどんな蕎麦屋より美味い。これだけ”うんちく”うるさく作ったそばは美味かバィ。(熊本弁)
小国地方のある有名な蕎麦屋さんの女将曰く「そばの値段はお膳のお皿で決まるのよ」を思い出しながら、廉価な皿に盛って自作のそばを食べました。
「食は自らの手で」に『偽』はありませんね。