暗夜の一灯

一灯を掲げて暗夜を行く。
暗夜を憂うことなかれ。
ただ一灯を頼め。
      (佐藤一斎/「言志晩録 13 条」)
昨日の”なるほど塾”で講師の藤井台さんがこの言葉を取り上げました
なんせ、歴史オンチのキリコでガンス!
佐藤一斎なる人物を知りませんでした

彼は徳川幕府唯一の大学である昌平坂学問所を統括した儒学者で、一斎の膝下から育った弟子は数千人と言われ、山田方谷佐久間象山渡辺崋山横井小楠等、いずれも幕末に活躍した人材たちがいます
勝海舟坂本竜馬吉田松陰などは孫弟子にあたるんですね。

佐藤一斎が後半生の四十余年にわたり記した随想録が”言志四録”で「言志録』、『言志後録』、『言志晩録』、『言志耋(てつ)録』の4書の総称です。
島流しにされた西郷隆盛が読んでいて、終生の愛読書だったことでも有名だそうです。


人は「自分はこうしたい、こうなりたい」という灯を掲げますね。でも、途中からついつい暗夜を憂いて嘆き、引き返そうとします
しかし「憂うるなかれ」と一斎は言います。どこまでも己の掲げた灯だけを頼めと。


これは仏教の「自燈明」と同じことを言っているんだなとキリコは感じました

自分の信念をどこまでも貫く
それが正しければ、それに賛同し共感する人たちが必ずや現れ、共に進んでいくであろうと思われます

藤井さんは年長者は人生で感じてきたこと、体験したことを若い人に伝えなければいけない義務があると、今の時代切に感じると言われます
そして、自分はこれからそれをやって行きたいと決心し講演活動を行なっています

その力になっているのが、この「暗夜の一灯」なのでしょう

人は誰でもそれぞれの一灯を持っています
その灯りを自ら消さないように、そして頼みにして歩んでいきたいと思います