伊都国への旅

”日向峠より朝日が登る伊都国(いとこく)”
それは魏志倭人伝に「代々王あり」と記述され、強大な力をもっていた国、その場所は福岡県糸島市、福岡県西区付近と比定されています
ここら一体は古墳や遺跡が多く、平原遺跡からは日本最大で貴重な直径46・5センチの内行花文鏡(日本製)が出土しています   (伊都国歴史博物館 展示)


糸島は何故か以前から気になっていた場所なのですが、なかなか出かける機会がありませんでした
今回、出かけようと思ったきっかけは、地名研究会の苗字に詳しい人に親戚筋に長崎県に住むイワナガの姓があると話したら、イワナガヒメと関係あるかもと言われたんです

神話に出てくる磐長姫(イワナガヒメ)。
大山祇神オオヤマツミ)の娘で、木花開耶姫コノハナサクヤヒメ)の姉ですね。
長崎県にはダントツにイワナガの姓が多いのです




神話によると木花咲耶姫とともに天孫瓊々杵尊(ににぎ)の元に嫁ぐが、ニニギは磐長姫は醜いからと父の元に送り返した。大山祇神はそれを怒り、イワナガヒメを差し上げたのは天孫が岩のように永遠のものとなるように、コノハナノサクヤヒメを差し上げたのは天孫が花のように繁栄するようにと誓約を立てたからであることを教え、イワナガヒメを送り返したことで天孫の寿命が短くなるだろうと告げた。それが人の短命の起因とされている、と書かれています

コノハナサクヤヒメに比べたら祀られている神社も少ないですね
でも、この糸島に有るのです
それが”細石神社”、旧名は佐々禮石神社と称したとあります
御祭神はイワナガヒメコノハナサクヤヒメの二女神です
元禄8年(1695年)の「細石神社御縁起」では、古くは神田も多く大社であったが、たびたび兵乱に見舞われ社殿を焼失し、さらに天正15年(1587年)の豊臣秀吉太閤検地により、神田没収に遭い衰退したとされています
又、この地は”君が代”に出てくることばが多いので、ここが起源があるともされています


そして細石神社の位置する場所は糸島市前原市の境にある高祖山・クシフル山・日向峠の西側にあり、BC1世紀後半の王墓「三雲南小路遺跡」の真後ろにあたります
この遺跡は弥生時代の墓としては巨大で他では見られない豪華な副葬品が出土し、伊都国の王と王妃が埋葬されていたのではとされる二つ棺が発見された所です



3人の魔女で訪ねました
小さいけれど地元の方の手入れが行き届いた綺麗なお宮でした
(スミマセン、鳥居正面から撮り忘れましたので、資料写真より)
とても古くて大きな御神木であろう楠の木が寄り添うように立っていました



磐長姫・・・ゴツゴツとした醜い姫ではなく、その名のように、雪にも耐え、風にも動かされることのない、とこしえの命をもたらす姫
魔女にとってはおおいに気になる存在の方です