砂風呂の後のケーキの味

11時、小雨にワイパー動かしながらドライブに出た。行き先は別府温泉の砂風呂。帰りは湯布院で途中下車、ケーキを買うために。行きは良い良い帰りは怖いの一日ドライブだった。

  • 高速道路を使って砂風呂へ

”木もれび庵 ”の周り3キロ圏内には黒川、小田、白川、満願寺、田ノ原など温泉がたくさんあるのに何故に高値のガソリン消費して出かけるの、と言われるのを承知で別府温泉へ。
”木もれび庵 ”出発後はげの湯、岳の湯前を通り、大分自動車道・九重インターチェンジから別府インターチェンジを経て約80キロ、1時間半ぐらいで目的地の砂湯に着いた。

  • 砂は熱く重たい

別府海浜砂湯(大分県別府市)と言う。竹瓦温泉や鉄輪温泉などの別府八湯とは縁がないようだが、海が見える砂湯はここだけだから選んだ。
レンタルの浴衣に着替え、屋根付の砂場に足を踏み入れる。アルバイトの女性従業員が「ここに寝てください。両手は体につけて」私は聞いた「どうして?お腹におきたいけど」「スコップがあたるからです」「あたる?怖いな」なんて会話がありつつ砂が体にかけられる。熱くないですか、冷たいですか等聞きながら砂の量を加減して温度を調整している。「アツイ、尻がやけどしそう」と叫ぶと砂を腰のところに当て、お腹にかけた砂を減らしてくれた。砂湯の費用は15分で1,000円。でもそんなに長く入っておられない。重たく熱くて汗がどっと吹き出てくるので5分ぐらいで我慢の限界が来た。隣の隣の女性が2〜3分しか立たないのに「もう出てもいいですか」と助けを呼んでいるのにあわせて私も両足両手を砂から出した。何分経っただろうか、10分もいっていないだろう。もぞもぞして左右を見渡し、恥ずかしながらの気持ちを秘めて起き上がった。砂をかけてくれた女性がチラッと見たような気がする。お風呂って本当はリラックスのためにあるんだがな、と心でつぶやいた。雨はすでにあがっていた。

  • 湯布院と黒川のケーキ、どちらに軍配を上げる


帰路途中、別府からすぐの湯布院でロールケーキを買った。「B−speak」という店で。汗を流した後はビールだろう、と宣われる諸氏へひと言言わせていただければ「ドライブ中ですからここはスィーツをいただかなくては」しかも湯布院のケーキですから食べたいのです。
でもビックリ。我が舌を疑った。パサパサで歯ごたえが無い。味はチョッピリ大人の世界を感じさせるが、何かが足りない。有名なケーキ屋にしては物足りない。流行の”スイーツ”の味とはこれなんだろうか。時々利用する黒川温泉のケーキ屋の味と比べると随分違う。(こんなにも違うのだろうかと気になったので翌日、黒川のケーキ屋「パティスリー麓」で抹茶のロールケーキを食べた。ウン、こちらが味に濃さを感じる。これが私の好みかもしれない)
ケーキの種類やお客の好み、お店の言い分もあるだろうが、あまりにも異なる味に驚いた。それぞれの地域でそれぞれの評価があるのかもしれないが、マーケットをリサーチすれば軍配はどちらに上がるだろうか。お互いに高いレベルで競い合い、良いものが出てくれば我々消費者にとってはありがたいことである。
砂湯で体内の毒素を出し尽くした脳は、味覚判断に困惑しているのかな。

  • 霧の中を山越えして帰路に


復路は往路と違うルート、一般道路を利用した。いわゆる”やまなみハイウェイ”は自動車専用道路ではないが、距離的にはこちらが近いと思う。別府から木もれび庵 まで約70キロぐらい。
湯布院を過ぎて熊本県に近づくと暗くなった。夜中、積雪、霧の悪条件を重ねて山越えだから30キロぐらいの亀足運転。久住山の牧ノ戸峠は5メートル先も見えない。普通であればこの条件下では走るのが怖いが、走れた理由(走った理由)は自宅から20キロもないこの付近の気象を知っていたから。積雪でも温度が今夜はまだ高いほう、しかも道路が凍結していないとの判断でノロノロだが少しの安心をもって走った。(写真では見通しは良いが、実際はかなり違った。デジカメは霧を写してくれないようだ)