はるかはるかに


見上げるといつも、くらくらとめまいがします
木もれび庵を見守る、ふるくて大きな1本の山桜

ちちちっ、ちちちっ、と鳥たちが飛び交い
気がつくと守り神が空いっぱいに花をつけていました

桜は夜桜、あの艶かしさが身上よ
なんて、大阪でちょいわるおやじは宣っていましたけど・・・

このすがすがしい山桜に一目ぼれしました
本当はこの根元に眠らせてあげたかったんです

 ”愛咬や はるかはるかに桜散る”
 ”ふたたびの男女となりぬ春の泥”  時実新子