あめゆき

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雪虫みたいな雪が落ちてくる・・・
最初はそんな感じで落ちてくる
ほあぁ〜と見上げていると
くるくる舞いながら口の中にも落ちてきて
かき氷のはしっこのようにすぐ融ける




”わたしのけなげないもうとよ
この雪はどこをえらぼうにも
あんまりどこもまっしろなのだ
あんなおそろしいみだれたそらから
このうつくしい雪がきたのだ”


ふりはじめた雪を見ていると、このことばがうかんできます


”あめゆじゅとてちてけんじゃ
あめゆじゅとてちてけんじゃ”


宮沢賢治の”永訣の朝”


かって、私には6歳違いの賢治という弟がいました
2歳の時、溜池で溺れて亡くなりました


”うまれでくるたて
こんどはこたわりゃのごとばかりで
くるしまなぁよにうまれてくる”


なにかのおりに私の後を追っていた彼を思い出します