喋った!

畑で大豆叩きしてお昼に上がってきたら、妹から電話があった
「姉ちゃん!姉ちゃんが帰った日の夜にお母さんがヘルパーさんに喋ったんだって!そして、ベッドから起き上がろうとしたり、動かない足を動く足で押したりして眼が離せなかったって」
「え〜凄い!なんて喋ったって?」
「おめでとう」と「お便所」
「ひぇ〜、おめでとうってね、凄いな」
「多分、前の日にチビ達も来てくれて、お祖母ちゃんおめでとうって挨拶したから、頭の中でおめでとうって言いたかったんだろうね」
「お便所は本当は歩いてトイレでしたいんだね」「うん、そうだと想うよ」

笑い顔はあるけれどいつもは声が出ない母である
寝たきり状態で食事時間の時だけ寝台式の車椅子でみんなの居る食堂に移動する
それでも、脳梗塞で舌が動かず胃ろう状態だったのが、すりつぶした食事がスプーンで食べられるようになった
もう、これは、施設では今までの常識では考えられない状態なのだ
ヘルパーさんやスタッフさんの母に対する態度が変わってきたのがわかる
そして、声が出た!とヘルパーさんも嬉しくて妹にすぐ報告したきたらしい


ここまで母が回復出来たのは妹のお陰だ
新しい試みを尻込みするスタッフさんに、いくつになってもどんな状態であっても人としての楽しみを味あわせたい、と、何度も頼んだのだ
そして、姪と婿さんとチビギャング達
時間を作っては顔を出して母の手を握って話しかける
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私にできることは・・・
母や妹夫婦、姪の家族をお護り下さいと神様にお願いするだけ
すこしでも、想いが届くよう、遠くから毎日祈っている