死にゆく者からの言葉

                          
10日〜11日、従妹の葬儀で福岡に出向いてました
人吉在住の叔母の3番目の子で、私とは20歳ぐらい離れていたし、彼女が生まれたときは私はもう九州を離れていたので会ったことがありません

それでも、叔母の家を訪ねると、写真の中に笑顔で子供と写っている彼女と対面していました
一昨年、妹に癌が見つかったと、私を「キリコ?ねえちゃん」と呼ぶ従弟から聞きました
彼の話しぶりで、手術も何度かした彼女の癌はかなり進行していることが分かりました


熊本から両親を連れて彼は頻繁に入院先の福岡まで通いました
長崎に住んでいる姉である従妹も家族とよくお見舞いに行ってました

そして、昨年末、彼女は最後は子供たちと自宅で過したいと帰ってきました
24時間体制で、ご主人や隣地に住む義理のご両親、二人の息子で介護しました


今年のお正月は皆に囲まれて過ごしたそうです

そして、叔母たちが人吉に帰ろうとした6日から危篤状態になり8日に見守られながら息を引き取ったそうです

子供が先に逝くのを見送るのはとてもつらいです
葬祭場での叔母は喪服だけが椅子に座っているようでした
             
         

長い別れの一日が終わり、私は一人帰路に向かうのが忍びなく叔母夫婦、従妹・従弟家族と同じホテルにその夜は泊まりました

亡くなった従妹の家族・親戚とは初対面ですし、姉である従妹に会うのも何十年ぶりかです

幼い時の面影は残っていて・・・亡くなった従妹も同じような顔立ちをしていました

そして、彼女の次男が母親似でした
ああ、血のつながりとはこういうことなのかと感じ入りました


亡くなった従妹を通して、私は新たな親戚と繋がりました
それは又、私の両親、その兄妹、祖父母をも思い出させてくれました





死にゆく者たちは、死の迫っていることを知っている
残された日日に、自分の人生を振り返り、自分の人生の意味を見つけ、あるいは未解決のものを解決し、不和を和解に、より豊かな愛の結びつきにすることを望んでいる。

そして死者を愛する人たちの心の中では、死んでいった人たちが、今までよりも強い命の絆で生き始める。
                          鈴木秀子「死に行く者からの言葉」より



久美子ちゃん、会えてよかった・・・そして会わせてくれてありがとう、
             

(帰路で立ち寄ったうきは市朝倉の三連水車)