終の棲家探し№For

雨に濡れながら雑木林を案内してもらった。
町道沿いの白川温泉を右手に見る小高い山。クヌギと杉と竹が混在している。「井手(田の用水路、堰)がある先に道を押してクヌギを切ったら家を建てられん事はナカ」「バッテン急だから金かかるバイ」「遠くはソゲン見えんタイ」「ナシテあげんとこに家立ツット」どうもいつもこんな調子で問い掛けられる。私が探している所は、里山の人には理解できないようだ。いわゆる宅地ではないし、便利な場所ではないのだから当然だろう。
家を建てるだけでなく水と道の確保や伐採が必然化する場所にどうしてもなってしまう。「癒しの地」は人家を離れ、静かな空間を心広く体豊かな心境で身をゆだねる地でなければならない。
そんな場所を求めていつまで探し続けるのだろうか。