満足したおばあさんとありがとうお父さん

  • お棺にあり、安らかな表情をみせる80歳台のおばあさんに、たくさんの孫が優しい手を伸ばしていた。

收骨室で、おばあさんの息子は孫達にたくさんの声をかけていた。優しいおばあさんだったことを他人の火葬人、私にも感じさせる光景が広がる。
ーおばあちゃんの骨を拾ってくれたな
ーもういいか、満足したか
ー骨を入れてくれたな、思い残すことないな
ーおばあちゃんが好きだったな
お孫さん達の表情には笑顔に近い安らぎがあった。

  • お父さんありがとうね、声をかける奥さん

奥さんのつややかな顔だった、それは満足したかのように穏やかな優しい表情をかもしだしていた。
奥さんとたぶん娘さんだろう、二人の指が一緒に点火ボタンを押す。
点火前には声をかけていた。
「お父さん火をつけるよ。大丈夫ですよ」
奥さんは最後の別れの時に、お棺に眠るお父さんへの手紙と思うが、封書を顔のそば、ホホに置いていた。笑みを浮かべて。
「お父さん、これずっと持っててね」。