パン用小麦はまだ子供、春が待ち遠しいな

パン用小麦「ミナミノカオリ」

日本人は米を食べよう。でも国産小麦のパンなら安堵かな。

  • 畑では、パン用国産小麦「ミナミノカオリ」(写真)が春を待っている。決して雑草ではありません

九州にパン用の国産小麦があるとはビックリでしょう。あります、それは九州沖縄農業研究センター育種の「ミナミノカオリ」です。
日本の小麦はほとんどがうどんなどの麺類用でパン用小麦はわずか。しかも、冷涼な気候が良いところから西日本での栽培は少ないようです。ところが九州でも可能になる新品種が登場して、その名は「ミナミノカオリ」。
日本は「農林61号」から「ニシノカオリ」など菓子パンの薄力粉からうどん用の中力粉中心になり、アメリカやカナダ産のものは強力粉のパンに最適な小麦になる。
パン用小麦は麺類用に比べ、タンパク質が多い、グルテン力が強い、粒子が粗いなどの特徴があるようだ。

国産小麦の特徴は次のようになる

  1. 国産小麦はグルテンが少ない

ふっくらのボリュームあるパンになるにはグルテン膜が必要

  1. 国産小麦は日本の風土、気候の激変で毎年違う

収穫ごとに品質が変わり、当然加水量がころころ変わる
こうしたことから欧米はパン用小麦、日本は菓子や麺類用小麦が多いが、国産小麦は内実がすばらしい。

  1. 独特の甘味がある。グルテン粉を別途加えなくとも日本らしさで健康によい全粒紛のパンができる
  2. 外国産には輸出用に殺虫剤のポストハーベスト農薬がある

そして、北海道以外九州にも強力なパン用小麦が登場した。
【研究センターの小田室長さん、「ミナミノカオリ」ありがとうございます】

アメリカの日本戦略

敗戦後の食糧難の時代から始まったパンと脱脂粉乳の世界、この日からアメリカの小麦戦略にはめられた日本の食生活がスタートし、その結果”アレルギー体質””不健康な身体””切れる体質”など現代の悲劇を生んだのではなかろうか。
食生活だけにとどまらない。アメリカの後追いをする日本が80年代から同一歩調を取りつづけてきた日米構造改革、市場原理とマネーゲームも同じ不安が透かし見える。

「ミナミノカオリ」は昨年11月4日に播種したから収穫は6月だろう。
昨年収穫した小麦は、暖かいときに「コクゾウムシ」がぞろぞろ出てきて部屋中コクゾウだらけの日もあったが、寒くなると消滅か姿を隠したか忽然といなくなり、今や全く見ない。
乾燥が重要で、なまはんかな乾燥はこのようなハイレベルの覚悟の状況を作ってしまう。