ネクタイをした百姓が選んだ『桜ベスト5』

一時期桜の追っかけをしていました。九州から北海道まで北上です。
予断と偏見かもしれませんが、お気に入りの桜に順位をつけました。

  • 『ベスト5』

1、奈良・吉野山
静御前義経も別離の日に見ただろうか。
幾つもの稜線に山桜がかすんで織り成す濃淡。山と桜の最高傑作がこの風景と思います。
お隣の花見客はお年寄りとお孫さんでしょうか、弁当が美味そうでした。
2、滋賀琵琶湖・海津大崎
海のような湖の広がりと青さにピンクの花びらがコラボレーションしているような錯覚に陥りました。
水面に漂うミズスマシのようなボートが見えましたが、そんな眺めもいいだろうな。
3、京都・仁和寺
この「御室桜」はここだけ。
枝垂桜のオンパレードは圧倒されました。
滝のような花火がありますが、刺激的華やかさで無く淡いピンクには落ち着きました。
4、京都・祇園白川
ライトアッポ数あれど”大人の夜桜”といわれるのはここだけでしょう。
桜と祇園の雰囲気に飲まずとも酔ってしまいます。
川の流れと花びらの交錯する彩りがそうさせているのかもしれません。でも、ライトで花びらが燃えそうです。
5、東京・千鳥が渕
皇居お堀の水面に映る桜はすばらしい。特別な雰囲気を持つ皇居だからだろうか。
ただ、残念に感じたことはボートが多すぎたこと。

  • 『番外』

岐阜・荘川
御母衣ダム建設で沈没寸前を住民の力で移植された桜。
水上勉著「桜守」(新潮文庫)のモデルになった。
大阪・造幣局の通り抜け桜
120種類の桜、こんなにも種類があるのかと学習できる。
毎年人並みの多さには驚き、見物は覚悟が必要ですよ。

  • 『寸評』

やはり京都が”紅葉”と同じく”桜”も数と中身で全国を圧倒しているでしょう。
青森・弘前公園や長野・高遠城は背景が桜を引き立たせているようです。
全国的には東北や関東、関西に住む方は見ごたえある桜に囲まれて幸せでしょうが、九州、中国、四国は印象に残る桜は数少ないようです。

そして、止めてほしいことが一つあります。

猫も杓子ものライトアップだけど、これは花見客の都合で桜にとっては痛ましいできごとと思います。太陽が沈めば植物はお休みです。しかも熱いでしょう。

人間のエスカレートする思い上がりは、ここらで打ち止めとしませんか。