干し物

干し物と言っても洗濯物ではないですよ。
農家の軒先によく見かける冬の風景、それは軒から下がった「干し野菜」たち。太陽を浴び、寒風に揺れる野菜たちや柿などにたまねぎも見る。
そんな風景画が目に飛び込むと都会には無い趣にホットして、なぜかそこに人間の暖かさと安らぎを感じてしまう。

私は、魚が好きなので干物も時には手作りをする。今回はキムチ用に”イカの塩辛”を作った。
イカは長崎産「松イカ」。長崎ではスルメイカのことを松イカと言うが、美味くて高価なヤリイカは内陸部ではあまり見かけないので仕方なく松イカになった。
㈠包丁を入れて潰さないように『ワタ』を取り出す
㈡ワタに塩して冷蔵庫に保管。このときの塩加減が大事で記録していたほうが良い。
イカを干す。良く干したほうが美味いが半生程度に。
イカを細めに切り、ワタと混ぜる。唐辛子と酒も加える。
㈤保存料を入れていないために毎日かき混ぜる。最初は塩辛くても後からそれも消えてしまう。約一週間ぐらいで食べる、なんて言うけど待てずにつまむのが手作りの特権です。

  • ダイコン葉

カラカラに干す。中途半端ではダメ。
これは戻して味噌汁だけではなくいろんな料理に使える。私は他の薬草と同じようにお風呂にも入れる。体が大層にポカポカするし、活力の源になりそうな気もする。その薬草を翌日までお湯も抜かずそのままにしておくとビックリ、えにも言われぬエネルギー温泉に様変わりですよ。
ダイコンの根と葉の食品成分比較によるとビタミンCは2倍、カルシウムは100倍、カロテンは3000倍など葉が持つ成分にはすごいものがある。ほとんどの野菜が一般的に捨てる部分のほうが栄養価は高いようだ。

  • 漬物

ダイコンは、糠付けにするため品種は「宮重」を栽培した。細くて小さいダイコン。生で食べる「総太り」も栽培したが、場所が悪くて今年は不作でスミマセン。
これもカラカラに干して曲がるほどになるまでカラカラに干す。
白菜は塩漬けに。
漬物のコツは、重しと塩と干し加減。重しは漬物のおよそ二倍がいい。軽ければ水が上がってこない。ペットボトルでもいい。塩は漬物の重さの3%ぐらいの少なめにする。干しあがるのは風が一番。もちろん太陽もたくさん浴びて。暖冬ということは湿気もあるのでカビやすい。失敗作にナスがある。厚く切りすぎて雨の日に一晩戸外に置いたままでカビさせてしまった。根物は天日干しだが、葉物は陰干しが良い。干し物には厳しい冬が最適。

  • 干し野菜

干すものは、漬物用だけでなく保存食として野菜を干す。
人参、ジャガイモ、たまねぎ、ナス、かぼちゃなど。ダイコンは割り干し、切干、半月干という具合に切り方でとても面白い。
カットしたものを干して長期保存すれば簡単にいつでも食べられ台所に立つ人にはとても助かる。しかし、マクロビ風に解説すれば「旬のものはその季節に食べる」ことから干した茄子を冬に食べて、はたして体は受け入れてくれるものだろうか、など悩むが思考角度を変えて、太陽を浴びたミネラル満杯の野菜は冷えた体とも同化する、なんて決め付けてセッセッと仕事してます。