ストーブと雪とコーヒーと音楽

  • 雪はすべてを包み込む

朝、眠りから覚め、夢を見たような気がする。
学生時代の大学新聞会夏季合宿での海辺で撮った写真、それを思い出した。「僕が主幹になったときは編集方針は変わるだろうな」。同級の彼女は軽くうなずいた。暑い太陽に逆らう若さがあった。
カーテンを開けてみると雪が積もっている。納屋を昨日から作っているけど今日はできそうにもないな、と考えながら時計を見ると7時半。雪に埋もれて寝ていたのかもしれない。
突然、電話のベル。
「作業は出来ませんね。明日又電話します」友人の大工さんからだった。

  • 薪ストーブとコーヒーで時は静かに

昼になっても降り続く。三度目の大雪、30cmにはなるかな。
静かだ。自然の偉大さにすべての生き物が息を潜めている。森閑と静まり返るのは、悠久なる全能の支配者にひざまづいているからだろうか。
今日は一日、読書と畑作業の作付け計画を立てることにした。読みかけの本はあちこちに置いてあるが、むのたけじの「たいまつ詞集」や現代農業の「すべては江戸時代に花咲いた」、柴田明夫「食糧争奪」など。
ストーブの薪に火をつける。久しぶりにコーヒーは”bodum”のカフェプレスと”melitta”のラテカップ。少し苦味を感じながらコーヒーを含み、積み積もる雪をボンヤリと見ながらMDをかけた。

魔女キリコが好きな中島みゆきを聞いた。
「理由もなく会いたいのに理由を探している。会わなければならないと理由を探している。人恋しさは諸刃の剣、かかわりすぎてあなたを苦しめるから〜〜よりそう風、それだけでいい」「ありがとうの意味がこれっきりだってという意味だと最後まで気がつかなかった」
今は遠い日の思い出。