一年に一度きりの野山の風景には野草と薬草が爛漫

「木もれび庵 たゆたゆ」の裏山を歩くと発見があります。
四国四十八箇所をお遍路した時にも車旅行では得られない多くの喜び感動がありましたが、自分の足で大地を踏みしめると土のやわらかさや匂い、風景の輝き、映える生き物などに体を奪われて心が躍ります。
木もれび庵 たゆたゆの裏山にさえ発見があるのですから、隣の山にも里山にも身近な足元にも小さな生命がありすべての大地に感動があるのでは、未知の世界がとびこんでくるのでは、と嬉しくなってしまいます。

  • わさびとクレソン



両方とも湧き水が流れている所で栽培しています。
本わさびの沢わさびが春には花を咲かせました。クレソンとの同居です。クレソンは光が強く当たりすぎると濃い色になるのでここのように木漏れ日がある場所にしました。しかも、清いやわらかい水が良いようです。
農家の人がいいいます。「旅館の水が流れ込んでくるような川の野草は食べるもんじゃない」。この沢水ならば農家の方も認めてくれるかもしれません。
クレソンはサラダやバター炒め、天ぷらで食べます。さわやかな辛味がいいですね。食欲がない時にはサラダでたくさん食べると食欲がわいてきますよ。
薬用として歯や筋肉の痛みにはすりつぶして冷湿布が良く、神経痛や痛風にも良いようです。
わさびの抗菌性は良く知られていますが、リウマチや神経痛にも根の部分をすりつぶして湿布すると良いようです。

  • わさびとわらび


ワラビを少しですが食べました。
連休の頃になるとワラビ採りの人で一杯になるので小さいけど4月中に採ります。観光客があまり入らない内緒の場所で採っています。
わさびもおひたしにして食べました。春菜の辛味や苦味とは違い甘い優しい味がします。


5月ごろ大きくなった頃にはすずめを追う鳴子のような花が咲きます。昔から根茎は精力剤として利用されているようで疲労回復に効用があるといわれています。新芽は有毒のチゴユリホウチャクソウに似ているので注意しています。
待ちきれずに根元に近いところをおひたしや和え物にして食べました。やわらかい食感ですよ。

  • アサツキ


ノビルと似ていますがこれはユリ科。とても生命力があるようで群生しています。
肉類や魚介類の和え物にするのが好きです。薬用としては食欲増進、消化促進に役立つようです。

  • 豆助


ヘアリーベッチ、豆助と呼びます。畑の緑肥として大豆の前作に蒔きました。アレロパシー効果で雑草を抑制してくれますしマメ科なので空中窒素の固定にもなります。
化学肥料を使用せず、怪しげな有機物という家畜糞も利用しないのでこのような農法をとっています。

  • エンドウとヘイオーツ


ヘイオーツも野菜たちの前作として緑肥にしています。温暖な地方ではすでに花を咲かせているエンドウですが、我が家のエンドウはヘイオーツの傍らで寒さに縮こまっているように小さいままです。

  • 小麦に願いを込めて


パン用小麦のミナミノカオリもまだ小さいままです。
小麦や大豆、トウモロコシは国内産がわずかなため、国際流通の変化や投機筋の動きによって私たちの食生活も大きく左右される時代になりました。しかもエネルギーのバイオメタノール燃料まで利用されるようになり食糧危機だけの問題ではなくなったようです。ローマクラブの報告書「成長の限界」はもっと早まるかもしれません。とても心配です。
心からの安らぎのために自力で栽培できる環境と社会ができることを願う春の一日、裏山探索になりました。