雛の宴


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        押し絵雛(日田地方の庶民の雛人形)               
                  
今日はふわふわと暖かい春の陽気
友人と天領日田のおひなまつりに出かけました

大分県日田市・・・江戸時代に徳川幕府の直轄地で「西国筋郡代」の役所が置かれ
九州随一といわれるほどの繁栄を極めた地です
特に代官所のおひざもとの豆田町は全国から集まる大名を相手にした豪商が活躍し、
京都や大阪にも出かけ華やかな町人文化が花開きました

豆田町は平成16年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、古い町並みが保存されています
清らかな水路は町割りとして碁盤目を東西に貫流し、生活用水や農業用水に使われていました


2月中旬から3月末まで豆田の町並みは華やかなおひなさま一色になります
そのなかでも、国の重要文化財に指定された「草野本家」のお雛様は圧巻です
ここは先代が1696年に現在地に屋敷を構え、掛屋として郡代ご用達を務めるとともに
製蝋業を営み、代々、京や大阪に出かけるたびに買い求めた雛人形や歌舞伎の人形が
十畳二間続きの座敷に飾られています

群をぬいているのは、日田の大工さんが作ったと言われる桧材の白木造りで
座敷床上180cm、総間口360㎝、屋根は天井に触れ合う高さの雛御殿です
そしてそこに鎮座するのは内裏雛、7人官女、左右大臣、玄関にお出迎えの侍など、御殿上22名、
仕丁が担ぐ四方輿の行列揃い20名の合計42名一セットの御殿雛です
(ここのは重要文化財で撮影禁止です)


代々、いとおしく大切に扱われてきたお雛様は優しい感じがします


時間に追われることなく何度も町並みを行きつ戻りつ
蔵元で新酒を試飲し、久しぶりの鰻重に舌づづみをうち
骨董屋で桧の漆塗りのお櫃、金物屋でゴマ煎りと曲げ物の蒸し器を買いました


緋色に染まった町並みを歩いていると、オーラも華やかになっていくような気がします