いけめん清兵衛・脱走


今朝の空気はキーンと冷え、ツララが並んでいた

さぶさぶっと言いながら、ワンの朝ごはんを用意する
気配を察していつもはワンワン吼える声が聞こえない
さすが寒くて小屋に入って様子伺っているのかな?

あれれ、清兵衛がいない、ハナだけうれしそうに尻尾振っている

散歩のとき時々紐を振り切って山に雲隠れすることがあるが
暫くすると小屋に帰って来るので待つことにした

でも、いつまでたっても現れない、心配になってきた
清兵衛、清兵衛と山へ向かって歩き出だしながら呼ぶ
と、川の向こうからワォオン、ウワオン!
どこだ〜、畑から下の川へ降りる雪道に紐をひきずった後がある
ワンワン、ワンワン、うるさい泣き声、
いたいた、川べりの笹竹やぶに絡まって、動けない

あほ清兵衛、発見確保
薪運びで体力がついたのかクイを引き抜いている
でも、それが絡まって動けなかったんだ

寒くて心細かったんだろう、今日の散歩は妙に大人しかった