そして・・・精霊流し


精霊流しは夕刻からですが、子供達を海水浴させたいと娘が言うので、早めに水俣へ向かいました
下界はまだまだ夏真っ盛り、太陽ぎらぎらです

私も子供の頃、泳ぎに行っていた湯の児温泉海水浴場、何十年ぶりでしょうか
昔に比べ、向かいの小島に橋も係りシャワー設備なども整ってきれいになっていましたが雰囲気は当事のままです
湾内なので、波も静かで砂浜もまだまだきれいです



御墓参りを済ませ、夕刻6時半に水俣川河口に出向きました
もう沢山の人たちが、飾りを施した精霊船や万灯を用意して7時半からの供養読経を待っています
私たちはもう少し河口に近い所に移動しました

そこには、近所の人たちが読経が始まる前にもう流し始めています
川は昼間は満ち潮で土手まで満々と水をたたえておりましたが、今はもう土手下までの水位になっていました
私も水辺に降りて万灯に火を灯し、里芋の葉っぱに盆菓子を乗せました
一緒に流そうと持ってきたナス牛は、どこに乗せようかな
万灯にそっとのせて手を離しましたら、ゆらゆらゆれながら漂っていきました

義母のときは万灯が行っては戻り、行っては戻りで、涙が止まりませんでしたが
ユズボウは悟ったのか、すんなり沖へ向かっています、ああ、よかった!


と、思いきや、しばらくすると、傾き始め、ロウソクの火が消えてあれよあれよと思うまもなく水中へ
しばらくしてナス牛だけが、ぷっくり水面に生還し、盆菓子のあとを追ってさっさと流れていきました
”ああ、ああ、お父さんたら最後まで反抗期!”と娘
”波乱万丈の人生だったから、ま〜、彼らしいくていいわ”と姉


”ユズボウ、そんなに早く悟って、独りで行きたくなかったんだよね
まだまだ、一緒に楽しみたいんだよね”と私

あっ、忘れてた
ユズボウ、カナヅチだったっけ!