ブログをはじめたきっかけ

朝の日差しが部屋の奥まで入るようになった

暖かい日差しを見ていると、ユズボウが帰ってきた日を思い出した
去年の11月、眠れない夜を過ごしカーテンを開けると、差し込んだ朝陽が部屋の奥のユズボウの遺影を照らした
遺影の笑顔が、黄金の光で輝いていた

今日はなんだろう、いやにユズボウのことがおもいだされるなと畑仕事しながら思っていた
稲刈りが終わったからだろうか
去年の稲刈りが済んでから体調を崩したユズボウだったので、そのときの様子がちらちら浮かんでくる
夜はダンスのグループレッスンだったのだが、あまり気が乗らなかった
帰り、車を運転していると不意に悲しくなって、涙があふれてきた
ユズボウのばかやろう、と何度もつぶやきながら帰ってきた



2009年10月15日、ユズボウが書いた最後のブログ
「ありがとう、感謝します」



2005年10月から彼はブログを書き始めている
「ネクタイをした百姓」
サラリーマンからすぐには百姓になれなくて、
心境の変化や畑や自然への思いをつづっている

文を書くのが好きだった
ダメなお役人に文句言うのが好きだった


私には彼のような文はかけないし、文句言うの好きでないし
ブログは書かないと思っていた

でも、一人になったキリコのことを心配して下さる方がいる
これからの畑や田んぼのことをも心配してくださる

それよりなにより、ユズボウが伝えたかったことがまだ伝えきれてないような気がする
地に足つけて生きていくとき、気ついた事、感じたこと、
ううん、大それたことではなく
自然体で生きていくことの大変さ、でも倍の楽しさ
ただ毎日の暮らしを書いていくことだけでいい
たぶん、彼もそうしてもらいたいと思っていることだろう

泣くだけ泣き、踏ん切りがついたころ、ユズボウの後をついでブログを書き始めた


たくさんの暖かいまなざしに感謝しながら、日々の暮らしを書き続けている