青年・清兵衛

うーん、今日は久しぶりに暖かいな〜
ハナちゃん、早めに散歩いこうか?」

「”ん、あんまり、気が向かないな〜”

”行く、行く〜、早く〜”
「ちょっと、畑見に行こうね」

”うわ〜い、ここはまだ雪がいっぱいだね、
あっ、なんかあるよ、大根かな”

”ちめたいよ、こんな暖かいのになにも雪の上歩くことないじゃん”


「あはは、ごめん、土手のほうに行こうか」

”んっ、なんだ?”「あっ、アカハラだね、驚いて飛んで行ったよ」
”まだ、いるよ、捉まえてくる〜”
「だめっ、あんた放すとあちこち行って暫く戻ってこないジャン
よその庭に入り込むし、隣の猫を見つけて追い掛け回すし、謝るの大変なんだから」
”僕、セッターとビーグルのハーフだもん、血が騒ぐんだよ、放してよ〜”

「うあー、引っ張るなー、落ちそうだ〜」



清兵衛は4才、猟犬だけに瞬発力抜群、力も強い、
だから、いつもハナの紐に清兵衛のチェーンを通して
ハナのリズムで歩くようにさせているんだけれど
何かの気配がするとすぐに走り出す
いつまで引きとめられるか、ちょっと心配だ