今週のお題・甘酸っぱい思い出・なごり雪

先日の東京の雪は、もう、なごりの雪なんだろうか
13年前のその雪は2月28日の夜から降り始めた


その日、35年ぶりに幼馴染と高い高い展望台で会う約束をしてた
お互いに顔もわからない状況で


待ち合わせの時間をすぎても会えず
携帯電話も通じず
何度もぐるぐると探し回った


同じように歩いている男性に気がついた
お互いに反対側で待っていたんだね


二人とも、もう分別のある大人の顔をしてた
この人があの子?
ぎこちない会話と
ただ口に運んでいるだけの食事


たぶんにもう、違う道を歩いているんだよね
元気で、又会えるといいね


別れ際、暗い空から突然の稲光
思わず背の高い彼の腕をつかんでしまった


見上げると、なつかしい瞳
頭上から、はらはらと雪が舞い降りてきた


稲光は私のハートを射抜いたキューピットの矢
舞い落ちる雪が二人だけを包んでいるような気がした


2月に降る、なごりの雪   私の甘酸っぱい思い出