押入れの思い出

母さん、手マッサージしようね


そうだ、今朝、ひなた(妹の娘の息子1歳)が来てね
ここ、ここって押入れの布団の上を指差すの
なんでも、妹が掃除の邪魔になるんでここにいなさいと上げたら、気に入っちゃったみたい
布団の中に潜って嬉しそうな顔してるんだよ


私も小さいときから押入れの中、好きだったなー
ふすまを開ければ誰かがいるのわかっていたから、真っ暗でも怖くなかった
布団の中にもぐりこんで、いろんなこと想像してあそんでた

小学何年生だったんだろう
学校から帰ってきたら、母さんいなかった
つまんないな〜
ちょっといたずら心がひらめいた
玄関の靴を隠して、ランドセル持ったまま、押入れにもぐりこんだ
母さん、帰ってきたら、驚かそう、
待ちくたびれて、眠ってしまったみたいだ

目が覚めたら、父さんの声や隣の人の声が聞こえる
どうしたんだ、何かあったんだろうか

襖を開けると、びっくりした顔の大人たち
父さんが怒った顔で私を押入れから引きずり出した
母さんがかばって、近所の人たちにも頭下げてたっけね


そういえば、次男が中学生のころ、担任から電話があった
「今日学校来てませんけど、どうしたんですか?」
「へっ?行きましたけど」

玄関を確認すると,靴はない
部屋を見るとかばんだってない
ほら、やっぱり行ったはずだよ
どこで、サボタージュしてるんだ〜

ふと、押入れに目が行く
まさかな!いまどきのヤンキー中学生がなー
こんな思いに苦笑いしながら、襖を開けると
くーくー・・・学生服のまんまね・て・た!
あーあー、やっぱり、この親にしてこの子ありー

母さんは子供のころはどうだった?

ぷぅ〜ぷぅ〜
あらら、もう、眠ったの〜