辰巳芳子さんの緊急提言

久しぶりでマガジンハウスの雑誌「クロワッサン」を買い求めました
7/10号です
表紙に尊敬する辰巳芳子さんを見つけたからです
そして、そこには「辰巳芳子さんからの食の緊急提言・いま頼るのは、食物の力」と書かれていました

私は彼女のお母さんの辰巳浜子さんの
「あくまで自分は家庭料理家」という姿勢が好きで本ももっていました


そして今は芳子さんの体験に裏付けされた「いのちの食卓」への熱い想いが好きです
素材の本質を見抜き、生命を慈しむようにあつかう姿が好きです
日本の未来を案じ提言し、それを行動に移す、機敏な動きが好きです



今回号は災害や原発で”今、何を食べたらいいのだろう””これからの食をどうすればいいのだろう”と言う声が多くて、特集が組まれたようです
たしかに、災害時に役にたつ保存食の作り方や、やりくり料理のわざ、日本食への見直しなどが盛り込まれていて、とても、役に立つ内容です
でも、これをたんに非常時を乗り越えるハウツー本として読んでは欲しくないと思います



彼女は明言します
「こんな状況の中,冷静な判断力と体力は、まさに代々の食べ方で培われたもの、それは”持ち力”とか”持ち前”と言っていいものです
今これを食べればすむ、という話ではございません
そのことに誰もが気がつかなくてはなりません

改めて申し上げます
日々の食べ物は、生死を分けるのです
人は食べるべきものを食べてこそ、信じる心が育ちます
信頼がなければ愛も育ちません
自分を愛し周りの人を愛する、
そうして始めて、いざという時に生きやすいほうに感が働き、動ける人になれるのだと思います


これからの時代、欲では動かない・寡欲の人でなければ信じられません
正義を全うし愛を貫くには、情熱がなければなりません
その情熱を支えるのが、生命力です
生命力は食べ物から生まれてくるのです


くれぐれも食材は国産のものを自身で食べ比べ、食材選びをいとわないことです
そして、子どもや孫、そのまた子の代まで、日本人として誇れる食材を手渡していく義務が私たちにはあるということを肝に銘じてください
農耕民族であると同時に海洋民族でもある私たちの土地と海を、嘆きの地、嘆きの海にしてはなりません」



わたしは改めて思いました
[ヒトが人になること、なろうとすること、その基底の力が食にある]
と捉えられるのなら
ただ単に、時間的に生き延びる為に取り込むものとしてではなく
ヒトが”霊・止(ひ・と)”として生かされ育くまれるものとして捉えていきたいと