師走

暖かい日が続いていたけど、今日からまた寒くなってきた
考えたら今日から12月、寒いのは当たり前だね

師の僧侶が経を上げに忙しく馳せるから”師馳す”が”師走”になったとか
キリコも走ったで〜

東京から大阪に移った11年前の12月
その夜、ユズボウと喧嘩して、腹の虫が収まらず、
そいじゃお世話になりましたと、バッグひっつかんで飛び出した
ま〜、実家に帰れるわけでもなし自転車で街をグルグル回って
茶店で甘いケーキとコーヒーを飲んだら腹の虫も大人しくなって、
なんで喧嘩したのかも忘れて、ふんふん鼻歌歌いながら帰路についた
住宅街の道、後ろからバイクの音が近づいてきた
脇に避けようとした瞬間、  買い物籠のバッグが消えた
一瞬、何が起こったのかわからなかった
気がつくと走り去る二人乗りのバイクの後ろのあんちゃんの手に、バッグが
なんで?
わあっ!ドロボーと叫んだつもりだったんだけど、体がガクガクして声が出ない
その後「待てーこのやろう、ふざけんじゃね〜」
凄い罵声発しつつ、自転車超高速回転状態でバイクを追いかける鬼女一人
]
(この時から魔女キリコ出現)


一本道を必死で追いかけたけど、後ろの兄ちゃん振り返ってバイクは脇道に

ま〜、追いつけてたら、翌日の新聞にバッチリ乗ってたんだろうけど


くそーっ、収まっていた腹の虫がまたまた起きだし、
全速力で駅前の交番に走った
「はぁーはぁーはぁー、ひ・ひったくり、ひったくりー」
「まあまあ、落ち着いて、そこに座って」
「座ってたら、ひっつかめんでしょうが〜、なんちゅう街やこの街は」
「あれ、大阪はひったくりが全国でも一番多いの、知らなかったの?」
「知るわけ無いでしょ、そんなの自慢にもならん」
「そいで、どんな状況?あれ、前籠に網してなかったの、そいじゃね〜」
な・なんと?取られても仕方ない状態で夜道を走っていたアタイが悪いっていうの」
「まあまあ、まず、実況見分に行きましょう」
「なにっ、夜中の12時とっくに回ってるのに今から?
そんな暇あったら、バイク探して、バッグ取り返してよ〜」
なんて、通じるわけがなく、ばかみたいに取られた道に連れていかれて状況再現の一人芝居! 
そいでもってパトカーに先導されてご帰還
バッグには財布、家の鍵、免許証、実印など入っていたので
ユズボウはますます、ひんむくれて、一晩中お説教!


幸いにも3日後、バッグはお札だけなくなって、あとはそのまま近くの井出に投げ捨てられていたのが見つかったと交番から連絡があった
「いやー、バッグが戻ってくるなんて奇跡ですよ
お金だけで良かったですね、あっ、お金も2千円だけですもんね
あの迫力で追いかけてこられて、ビビったやろなー」だって


師走、師じゃないけれどワテも必死で走ったで〜