めまい

珍しく眠れない夜だった
朝方から雨がふりだし、その音にうつらうつらしていた
ギギい〜ギギい〜という音で目が覚める
障子を開けると、強風が吹き荒れ、部屋の前の見あげるクヌギがゆっくりと大きく揺れていた


春一番
起き上がろうとしたら、ぐらりと部屋が回る
あっ、今日はだめだ

目を開けていると、体が浮いたような感じで風景が歪んで見える
俯せになり目を閉じ、暗闇の中に暫く身を預ける

たまにこんな状態になる時がある


(イラスト西村玲子)
体が無理しているわけではない
頭が無理しているのかもしれない
いっぱいいっぱいの情報を処理できなくて


心が無理しているのかもしれない
素直に言葉をだせなくて



”知らぬが仏”さ、とよくいわれてた

そうね、知らないほうが幸せなこと、たくさんあるね