キリコの心情

キリコはん、浮かぬ顔してどうしたんや?

まあ、天還太御神(アマカエル・オホミカミ)様!
お久しぶりです
実はね、カクカクシカジカでね・・・キリコ悲しいよ〜

う〜む、言葉の行き違いは難しいのう
茨木のり子氏は「花ゲリラ」の詩でこう書いておる

「思うに 言葉の保管所は お互いがお互いに他人のこころのなか」とな〜

そうなのよね〜自分から出た言葉は他人の心の中へ入りこんで、生き続けるのよね〜
どうしたらいい?

う〜む!
この言葉を二人に贈ったらどうじゃ?
夫婦でなくても人と人とが関わるということは、いろいろなことがあるもんじゃ
なにかの折にふと思い出したとき、気持ちが楽になれる言葉じゃぞ〜




         『 祝 婚 歌 』   
                   吉野 弘

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派過ぎないほうがいい
     立派過ぎることは
     長持ちしないことだと
     気づいているほうがいい

          完璧をめざさないほうがいい
          完璧なんて不自然なことだと
          うそぶいているほうがいい

     二人のうち どちらかが
     ふざけているほうがいい
     ずっこけているほうがいい

          互いに非難することがあっても
          非難できる資格が自分にあったかどうか
          あとで疑わしくなるほうがいい

     正しいことを言うときは
     少しひかえめにするほうがいい
     正しいことを言うときは
     相手を傷つけやすいものだと
     気づいているほうがいい

          立派でありたいとか
          正しくありたいとかいう
          無理な緊張には色目を使わず
          ゆったりゆたかに
          光を浴びているほうがいい

               健康で風に吹かれながら
               生きていることのなつかしさに
               ふと胸が熱くなる
               そんな日があってもいい

     そしてなぜ 胸が熱くなるのか
     黙っていてもふたりには
     わかるのであってほしい