生きる

昨日、いろんなことがリンクしていた

退村式の時、生徒たちがこの詩を掛合で朗読してくれた

   
      「生きる」谷川俊太郎

   「生きているということ

    いま生きているということ

    それはのどがかわくということ

    木漏れ日がまぶしいということ

    ふっと或るメロディを思い出すということ

    くしゃみをすること


    あなたと手をつなぐこと・・・(中略)


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聞きながら、ちらっと脳裏をかすめた
今朝、通りすぎてきた葬祭場での名前
同姓同名だよ、と思って通過した
でも、気になって、知人に電話した

「そうよ本人よ鬱だったらしいの
午後1時からお葬式よ」

急いで、帰宅して喪服に着替えて駆けつけた
まだ58歳、昨日自分で命をたったという
そんなに親しくお付き合いをしていたわけではないけれど、町で会うと声を掛けあっていた

どちらかと言えば真面目なタイプの女性だったと思う
誰かに相談していれば、なんて言えない
出来なくなるのが鬱病なのだ
体験しないとわからない、不安で孤独で絶望的な気持ち

出棺の時、黒雲が空を覆い雨が降り出してきた
辛かっただろうね〜苦しかっただろうね、今、悔やんでいるだろうね


ゆうべ、ブログ書き終わっても目が冴えて眠れなかった
TVをつけると”クローズアップ現代”の再放送をやっていた
”薬漬けになりたくない〜向精神薬を飲む子供たち”
小学校で問題行動が見られると、精神科受診を勧められ、向精神薬を飲見続けた子供達の副作用の実態だった
驚いたのは3歳から飲んでいる子もいるという
今はいろんな行動パターンの子供たちがいる
少しでも基本マニュアルから外れていれば、発達障害自閉症などの疑いがあるといわれ、親も不安になり向精神薬を投与されるのを黙認してしまうらしい
実際に脳の病気で薬を飲むことで日常生活を営むことが出来ている子供もたくさんいるので、一概に向精神薬を非難しているわけではないとのコメントだった
そして薬をのむことにより確かに問題行動は少なくなり、授業をうけることが出来るようになるけど・・・生気がなくなってくる
それで、これはおかしいと思い、薬を飲むのをやめると、ドラッグの禁断症状と同じようなことが起き始めるらしい
脳への投与は他の臓器よりダメージが大きいのだ、それもまだ発達途中の子供へ投与するなんて・・・

と、そんなことを考えているうち・・・
はっ、もしかしたら彼女、抗鬱剤飲んでいなかっただろうか?
心療内科や婦人科に眠れない、不安だと相談に行けば大抵、処方される薬剤だ
副作用はもちろんある
自殺者の7割は精神科を受診していて抗鬱剤を服用していたとのデータがある
欝病で自殺!仕方ないね〜と言われることが多いけれど、もしかしたら?

生きるのがしんどくても気分が落ち込んでも、安易に薬に頼らないで!
精神科の薬は未だ結果がよくわからない分野なのだから

欝の経験がないから苦しさなんかわからないだろうと言われるかもしれないが、1年間、人が怖くて布団から出られない経験があるから言えるのだ
薬でなくて笑いで治したから言えるのだ


薬なんかで 死なないで!
薬でなんか 殺さないで!



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     ・・・あなたの手のぬくみ

           いのちということ


             「生きる」谷川俊太郎