迷信は多い

若い遺体は火葬時間も長く、骨も多く残る。收骨時に箸で拾う時も重たいので子供が掴むのは無理がある。しかも箸で叩いてもキィーンと響く。
この若い人の火葬は数日前の友引の日にあった。葬式は翌日にすると遺族の方が言っていたが、何故、友引の日に葬式をしないのだろう。お坊さんに聞いたところ「それは、葬式はいつしてもいいのですよ、友引の日でもかまいません」
中国の暦から伝わり、友を引くと忌み嫌われるようになったようで、単なる語呂合わせに過ぎない。冠婚葬祭にはこの種のいわれが多いが、それだけ人生のメインイベントは霊的感覚にシフトしてしまうのだろう。
若い遺体には多くの参列がある。多くの若者が無言で丁寧に、恐る恐る骨を拾う。非現実の世界を夢想するのか、これが現実と諦めたのか硬い表情はぎこちない。