ゆえあって百姓しながらの火葬場仕事です

たそがれ清兵衛

大雪と低温、地球ー自然は冷徹な心を持って人間に覆い被さってきた。
春と秋は短期間の形だけでごまかし、猛々しい夏と吹きすさぶ冬を演出したのが昨年から年頭にかけての気候だろう。
何故こんなにまでも人間に対して過酷に迫るのか。
戦争と悲惨と難病が深淵から限りなく這い上がってきていることを恐れず、繰り返すばかりの人間に対し警告しているのかもしれない。

  • 頑張れ可愛い孫よ

自然の猛威が多くの人を死に急がせている。この月はいつもの月より火葬が多い。年齢に関係なく。
90歳台のおばあさんの火葬をした。
小学生の男の子が遺体から離れないので、お母さんが抱きしめて話をしていた。お孫さんだろう、泣くばかり。
お母さんは子供を抱きその手をおばあさんの顔に触れさせていた。止まらない涙はおばあさんの少し微笑んだホホに一粒二粒落ちて流れていく。
おばあさんに可愛がられたこのお孫さん、何を願うのか、おばあちゃんに約束したんだと最後には手を合わせていた。
   ー君の素直な今の気持ちを大人になっても大事にしてくれ
   ーおばあちゃんはきっとそれを願っていると思うよ