子どもの心を持った大人たちよ

詩集

キリコは詩や短歌、俳句などの本が好き。
その時の気分でページを開く。適切な1編、1句に出会うとそれで満足。
その風景、その状況の中にすっと入っていける。
もやもやしている時、自分に代わって言ってくれる言葉に出会うとスカッとする。
切ない時、それを表す言葉に出会うと癒される。
こんな情景を、このような目線、このような心持で感じられる人がいるんだと尊敬する。

  • キリコのそばにいつもある本、それは縦15・5cm、横11cmの小さな本。

           -「ポケット詩集」 童話屋
帯にこう書いてある
《昔の少年は詩をよく読んだものだ。それも、とびきり上等の詩ばかりを、だ。そしてよく考え「足る」を知った。みんなへっぴり腰を恥じて涼しげな目の下に、素朴な正義感をひそかにかくしていた。子どもよ、そして子どもの心を持った大人たちよ、この時代にとびきり志の高い詩を読みなさい》
宮沢賢治から谷川俊太郎まで、27人、33編の詩がのっている。
                ー
学校で習い覚えたのもあれば、全く知らなかったのもある。
1編は長くはないので、ふ〜んとか、そうだそうだとか、アハハとか、ときには声を出して
ときには心の奥ふかくで読む。
そして、なんとなく好きになった詩はまたその詩人の詩集を読む。

冬近くなると、草野心平の「秋の夜の会話」がふっとでてくる。
”さむいね””ああさむいね”"どこがこんなに切ないせつないんだろうね””腹だろうかね”
話しているのは誰?
工藤直子の詩集「のはらうた」では、かまきりりゅうじ君がつぶやく。
”かなしくったってな、そのきぶんも うたにしてみりゃ なんだかわらえるぜ。げんきでるぜ
”だって。そうだ元気出すぜ。
そいでもむかつく時は茨木のりこの「自分の感受性くらい」
”ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにするな みずから水やりを怠っておいて〜自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ”
面と向かっていえない相手にこうもはっきり言う潔さ、でも同じ言葉が自分に問い掛ける
あなたはどお?

  • まえがきにあります
気に入った詩に出会ったら何度でも読み返し、時には声に出して読んで御覧なさい。
読み返すたびに、階段を下りてゆくように、真実の底にたどり着くでしょう。

キリコのお薦めです