水の話

阿蘇・産山(うぶやま)の池山水源でポリタンクいっぱい水を汲んできた。
阿蘇・白川水源、西原・お池さん、久住・炭酸水が有名どころだが、阿蘇久住ラインにはいたるところに湧き水を発見する。水だい好きの私としては聞き耳を立てて駆けつける。
≪写真:水中に水草じゅうたんの池山水源≫

  • 水との出会いの自分史

小学生の時、駅伝大会ではゴールとたんにダウンして水をがぶ飲み。最初の水の思い出。
夏の炎天下、知人に誘われて軽井沢でテニス。何が避暑地ですか、こんなに暑いとは!!熱射病ではないが後頭部から首筋にかけて水をかぶった。それからの夏パターンは、頭に水をかけることになった。
大阪・高槻から能勢・亀岡方面に向かう山中の車道脇では法面から水が湧き出ているが、数名の人が時々水を汲んでいる。そのそばに立看があったので見ると「衛生上良いとはいえません」らしき文面が書いてあった。
数年かけて遍路している四国八十八箇所めぐりでは、必ずお参りの前に手を洗う。その時に自分の存在を、今在ることをいつも感じるのは不思議な気もする。
そして今たつところは阿蘇、きれいな水が豊富に恵みを与えてくれるところに住んでいる。

  • 水道水とミネラルウォーター

昔の大阪の水は臭くて飲めるものではなかったが、今は「高度浄水処理」なるもので”美味しい”と言われている。この枚方・村野の浄水場は日本一の規模らしく、通常の処理に加えて「オゾン処理」「生物処理」「活性炭処理」などによって、ミネラルウォーターと間違うほどの味みに仕上げている。比べて飲んでも判断に迷う。
ミネラルウォーターと遜色ない高度浄水処理水や電子水、電解還元水波動水πウォーターなど多種多様の飲料水が出てきたなかで、でもやはり私は湧き水が一番と思う。それも”より高い場所”の湧水。ゴルフ場の大規模な除草剤や産廃投棄場そして、ハイテク産業や抗生物質大量投与の牧畜産業などに影響を受けないようなところ-高地の湧き水がいい。
中国の風下にある日本での湧き水には限界があるかもしれないが、ヨーロッパのように水源を法的に整備、制度化するべきだと思う。
日本の経済優先は、自然との共生または環境保護よりも飲料水関連産業育成が先決と言わしめている。ミネラルウォーターにも基準が無くガイドラインに留まっているのが現状である。

  • 本で学んだ水

【カオスの自然学:テオドール・シュベンク著】
「水の巨大な循環の中でも、植物界はとりわけ特殊な役割をはたしている。植物はおもに水から構成されているので、平原や牧草地、森林地帯から、巨大な水が空気中に蒸発することになる。−(中略)−地球全体、およびその上空をとりまく巨大な水の循環の通り道となる水路の役割をはたしているのだ。植物の中を流れている可視的な樹液は、実は植物にかかわる全循環の半分のものでしかなく、残る半分は大気もしくは土中に存在しているのである。−(中略)−大地と植物界と大気はともに一つの巨大な有機体を形成し、その中を水が血液のように流れているのである。(p95)」
【土壌の神秘:ピーター・トムプキンズ、クリストファー・バード共著】
「水は、ただの酸素と水素の化合物に過ぎないと思われているが、実際は決して陳腐なものでない。人間の脳の90%を構成している水は、この惑星上で、いやおそらく宇宙で一番重要な物質かもしれない、とフラナガンは言う。はっきりと識別できる36の同位体があり、その各々がそれぞれ異なった性質をもっている水は、化学における万能溶剤であり、時間が経てばいかなる元素も−金でさえ−溶かすことができる(p181)」