ウンチのお話

浄化槽

【安穏な時が漂う空間】の具現化その六

  • 新居に絶対必要なもの

電気九州電力。電柱を立てる費用は高いので林の中を電線を引っ張る。でも木の伐採はしたくないな。熱源は電気、エルピーガスと灯油と薪にして効率を考えた。水は町営水道が前の道路を走っていたのでそこからひくことができた。井戸を掘るとなると莫大な費用がかかる。知り合いの蕎麦屋さんが井戸を新しく掘ったが、200メートルを超えてやっと水脈にたどり着き、その費用は200万を超えたのだから公共の水道がないところでなくて助かった。
最後に肝心なこと、食べて飲んだら出さないといけないからトイレは必要だ。

  • 汲み取り

畑にトイレを作り、落ち葉を入れて糠を入れて堆肥にするのは「野糞」というのだが、今の時代は恥ずかしいし、虫が湧く。個人的にはこれでもいいのだが。室内に汲み取り式のトイレを作るにしても「ポッチャン」と音がするし、”しぶきのおつり”が来て困る。こんなトイレを見たら都会の子は怖がるだろうな、特に夜は。恥ずかしいけど昔幼い頃僕はこんなトイレを見て泣いたことがある。しかし、田舎にはまだある「ポッチャントイレ」。(田舎暮らしを始めた3年前に借りていた二間の部屋はこんなトイレだったし、怖い話を聞いたことがある?)

  • 単独浄化槽と合併浄化槽

単独浄化槽は今ほとんどないだろう、合併浄化槽を国は推進しているから。単独は屎尿処理しかできない。しかし、「ウンチ」は自然に還るから敢えて処理する必要ないと思うが、「虫や汚い物」問題があるのかな。
最も問題な生活廃水をウンチと一緒に処理する合併浄化槽が下水道がない地域には必要となっている。つまり、家庭内下水道処理施設といえるものが合併なんだ。僕もこれを設置することにした。微生物の働きで汚水を浄化して河川に放流する。

  • 合併浄化槽の勉強

水の汚れを示す指標でBOD(生物化学酸素要求量)があるが、低いほど良くて米のとぎ汁は3.000mg/リットル、使用済みてんぷら油は100万mg/リットルに対し、合併の排水は20mg/リットル以下で鯉などが生息できる内容、我々が飲んでもいい代物のようだ。ちなみにアユ生息には3mg/リットルらしい。

誰が調べたのか一グラムの土壌中には一億の微生物が住んでいると世間で言われているが、この微生物が浄化槽の中で一生懸命働くがため、きれいな排水になる。畑の土もそうなんだから化学肥料を大量に投与したり、微生物まで死んでしまう農薬を散布しなくてもいいと思う。しかも、この微生物の研究はほとんど進んでいないのである。

  • 摩訶不思議な合併浄化槽

不思議その1:一人住まいでも最小の五人槽サイズの浄化槽が強制される《写真》。一人のウンチでは微生物が死滅してしまうのではないのか。サイズが大きすぎて微生物の食べ物が少ないのは困るだろう。さらに家が大きくなると一人住まいでも七人槽となる。微生物の為にも個人負担の面からも人数相応の浄化槽にして欲しい。これって企業論理優先?
不思議その2:お国の推奨だから設置に対し補助金がつく。僕も補助金のおかげで莫大金から大金で最低の五人槽設置ですんだが補助金とは何か臭うな、と思っていたらこんな話を聞いた。小さな食べ物屋さんが数十名の合併浄化槽を見積もってもらったら何と5百万円以上の金額になった。驚いてほかに訊ねると半分以下の金額もでてきた。

  • 江戸時代

面白い話がある。
1800年の江戸時代は、世界一の人口120万人だったが悪臭はなかった。あのフランスのセーヌ川には汚物が流れ、生活廃水も含め悪臭がひどかったらしい。何故、江戸は匂いがしなかったかと言うと、下肥は肥料ビジネスとして成立して田舎の肥料用に江戸の肥が運搬されていた。当時の日本の作物の生産高は単位面積当りでは世界最大だったからウンチが行き交う輸送道路、うなづけるな!

  • 汚水処理施設整備率

日本では、下水道、集落排水施設、合併浄化槽などが整備されている人口の割合は数年前で7割らしい。人口3割ほどは垂れ流し地域に住み、河川は汚染されているのだ。地方ほど未整備率は高くなっている。

世界の人口60億人の約11億人が家庭の飲料水確保手段を持たず、下水道施設にいたっては約24億人が問題を抱えている。途上国で汚水を原因とする死者は毎年約200万人に達し、その大半は5歳以下の幼児である。