ほうれん草の話

梅

雑草といっしょに育つほうれん草を比較してみると、まず見た目が違う。

  • 過保護のほうれん草


ビニールハウスの中で育ったほうれん草は、図体は大きいが食べると味が薄いし、本来の濃さを感じない。
多くの農家は、ビニールハウスで栽培して寒さに当てる意味の「寒締め栽培」をするところが多いが、それでも露地栽培にはかなわないだろうなと思う。しかし、消費者は大きくてそろっているほうを選ぶので、農家はビニールハウス栽培で多収を狙う。

  • 寒気に耐えるほうれん草


雪に埋もれたり、マイナス気温にさらされること数度、そのようなほうれん草は小柄でも口に広がる生命を感じさせる美味しさがる。
秋田農業試験場の発表では、5度の場合とマイナス5度の場合を比較すると、マイナス5度の方が糖度は6倍、ビタミンcは3倍増加したと紹介している。
この気温差をもろに全身で受ける露地のほうれん草君、やはり君が自然の申し子だと思うよ。
さらに、味のことで言えば、ほうれん草は肥料をたくさんあげるよりも少肥栽培の方が結果はいいとも言われている。