青森のリンゴ園で言霊が全身を貫いた

〜〜17日の続き

【報告その三:「変人」木村氏は暖かい】

  • 夜明け


5時46分、東北自動車道の花輪サービスエリアで休憩。朝陽をいっぱい浴びた。阿蘇はまだ暗いだろう。いつも外気を浴び朝陽に感謝している時間は7時前で、九州の山奥でそのぐらいであれば一時間ぐらいのタイムラグが東北の人たちに幸せを早く呼んでいる。
およそ9時間弱のバスの旅は堪える。まったく眠れなかったが疲れていない。木村氏が早く来いと呼んでいるからだろう。

  • はじめて見る木村氏のリンゴ園


木村氏は平凡人だが仏の人だった。どこにでもいる阿蘇にもいる農家の人、しかし言葉からはゆるぎない絶対なものを感じた。自然栽培に至るまでの5年以上の苦労。病、無収入、破産、自殺寸前、その後結論を得た喜び、それからの更なる苦労。村八分のようなことも続いた。でも信じてリンゴや園の生き物への語りかけ、病気や虫食いの原因の探求など10年以上の苦労と喜びが交互に”共鳴”して現在に至る30年。現在は農家の人たちも理解してくれていると言う。
木村氏の言葉を拾って。
「蜂の飛び方でオスかメスかわかる」「水に溶けないカルシウムをミミズは溶かす」「何日も葉巻虫を見つめその動きに合わせて寝転んだりした。その動きをメモして図書館でも調べた」「隣の人が害虫が飛んでくると言うのである日二人で見ていると隣から飛んできていた」「有難う良くがんばったね、と声をかけたが、以下同文と言ったところはみな枯れた」

リンゴ園から見える岩木山


標高1,625メートル津軽富士「岩木山」にバスで登った。
晴れたら北海道が見えるとのことだが、今日は快晴でも見えなかった。日本海に映える紅葉はピークのようだ。頂上はうっすらと冠雪していた。

「報告その四」へ続く