大切なものが消えた・・・我々は蝕まれている

  • 突然消えていた

ある朝、いつもの通りどれどれ、今日の様子はどうでしょうね、機嫌はいいですかと見に行ったのが果菜類の苗たち。

何これ!顔がこおばった。苗の双葉が消えている。あるのは茎のみ。
よく見るとトマト、ミニトマト、クッキングトマト、万願寺唐辛子、韓国唐辛子、ピーマンなどのポットには細い茎が異様に立っているだけ(恥ずかしくてお姿はお見せできません)。何故かナスだけがきれいに双葉を開いていた。葉菜類のキャベツとブロッコリーは温床の外においていたので難を逃れることができた。

再度、種まきになるけど残りの種は「自然農法国際研究開発センター」のトマトと「タキイ」の唐辛子に自家採取のトマトのみ。あわてて対策をとることにした。

  • 犯人発見

発見しました。ビニールハウスの外、チガヤの雑草の中でごそごそしているのは何者だ?モグラかねずみか狸か。走っていったのはねずみだった。小さくて全体にスリム、面長な顔をしていたので多分そうだろう。

  • 手作り温床


未だ、霜が降りたりマイナス気温になったりの外気温のため、夏野菜の果菜類には播種が早すぎる。そのため、ビニールハウスの中に幅60センチ長さ2m.ほどの木枠を作り、ワラや落ち葉、生ごみと米ぬかを入れて水をかけて混ぜる。一週間ぐらいで発熱、40度は超える温度が出てくる。水の量や踏み込み度合いで気温の差はあるが適当にしている。

  • 時間と手間をかけなければ田舎暮らしではない

市販の苗は消毒しているだろうし、苗の野菜名はわかっても品種がわからないので自分で作っている。面倒で時間もかかるが手作りは楽しい。これこそ田舎暮らしの醍醐味だから。周りの人からは「あんた達変わっている」と優しい言葉をかけられ励まされながらの生活です。

  • 野菜・米の栽培に関しても知らぬが仏さんにならぬよう

世話のかかった野菜たちは本当に可愛いものです。健全な野菜たちにしたいから決して化学肥料や農薬を使わない。なるべく自然の活きかたにそった育て方をしている。
化学肥料は今安全と言っても現在の医学、理化学レベルで言っているだけだし、有機肥料といっても多くが輸入品である家畜の口に入る飼料には、外国産の抗生物質や医薬物が混入していると思われている上に、そのことが温暖化の原因になっていることは周知の事実である。牛や鶏の家畜糞や肥料からアンモニアが発生しそれが原因の一つといわれている。問題は諸悪の根源といわれた窒素だけではなかったのである。
すべての有機栽培は地球を人類を救うと決め付けるのは早計。物の見方考え方、そして使い方をもう一度見直していきたいと思います。

  • こんなにも違う理由は


高菜を比較してみよう。

100メートルも離れていない場所で栽培したカラシ菜の仲間、高菜。こんなにも「成長」が違う。異なる点は、久住高菜と阿蘇高菜である点と播種の時期が一週間の差、使用した肥料などの栽培方法。それと、播種時期の差で寒さが「とう立ち」(自分を守るため花芽をつける)をさせている。
やはり原因は肥料と考えた方がいいだろう。
大阪では畑の隅で「くまし場」といって落ち葉などを発酵させて堆肥を作る方法があったようだ。そんな場所で高菜を作っていたらしい。つまり高菜は肥沃地で作るということになる。時間をかけて肥沃な土壌が出来上がっていればいいが、そうでなければ早急に結果を求めて牛糞や鶏糞に化学肥料を大量に投与して元肥追肥をすることになり、自然の営みに逆らった方法にならざるを得ない。

  • 濃い色に大きく形もいい野菜が絶対であるの信仰が自分の体内を少しずつ傷つけ、しかも地球を蝕んでいることに思いをはせたい。

【2006.4.4高菜について】参照