大漁


スーパーの魚売り場を覗いたら”ひしこ”が、山盛りで売られていた
水俣生まれの私はマグロやタイより、青魚のいわしが大すきだ
30匹ぐらいでなんと150円   これは買うしかないでしょう

新鮮であれば、刺身やマリネにしたりアンチョビーにするのだがもう、夕方である、
そういえば先日、テレビで「今が旬です、ひしこいわし」と美味しそうに丸ごとパクリと食べていたっけ
普通、から揚げは小麦粉をまぶして揚げるのだが、テレビでは上新粉をまぶしてあった
ふ〜ん、上新粉
早速”ひしこ”を冷水で洗い、水気を切って、上新粉をまぶして揚げてみた
丸ごとなので最初は170度くらいの温度から始めぷっくりしてきたら200度ぐらいにして少し色つくまで揚げる
揚げたてをぱくり、うん?外は確かに小麦粉よりはパリッとしている
中はいわし特有の身の柔らかさと内臓のほろ苦さが混ざり合って食べやすい
でも、でも、なんかもの足りない、パンチがない
あ、塩・胡椒をつけて食べてたっけ
う〜ん!!美味い!
外・ぱりっ、中・ふわっ、内臓の苦味と塩・胡椒があいまって何匹でも食べられる
ありゃ、これは夕飯のおかずじゃなくて、酒のサカナだね
ある程度、つまみ食いしてもまだまだある
で、半分は山椒醤油で甘辛く煮て、半分は玉ねぎスライスとタカのツメの三杯酢に漬け、楽しむことにした

  でも、いわしを口にするたび、ちょっぴり気になるなる詩が浮かんでくる

      「朝やけ小やけだ 大漁だ  大ばいわしの 大漁だ
      はまは祭りの ようだけど 海のなかでは 何万の いわしのとむらい するだろう」
                 ***金子みすゞ・”大漁”***

そうです、食べるということは一面残酷なことですね
だから、粗末にせず、その命丸ごと頂いて、私の命の中で生かします