田舎では漬物がこんなにうまいとは知らなかった
- おこうこの思い出
ーーこれなんて言うの
京都時代、よく行く飲み屋でカウンターに並ぶ”おばんざい”のひとつを指して聞くと「『ぜいたく煮』といって”おこうこ”を煮てるけど美味しいよ。食べてみる」
誘われて食べてみた。古漬けの沢庵とだし雑魚とタカの爪をコトコト煮たようだが、くせが強い古漬けも酒の肴にいい塩梅になっている。
- 発酵と色
桶の中は発酵してもう腐敗に向かいますよ、といわんばかりの感じになっているが、ここから取り出した沢庵の色が自然に色づいた、まさに時の流れが生み出した豊穣の色に変化している。感動する発酵菌の創造力、この雰囲気に浸れたら心静かになり争いなんか無くなるだろうに。
- たくあん漬けの屁理屈
こだわりのたくあん漬けには、大根は漬物用品種の「宮重」系を栽培した。糠は市販された合成ものではなく自分の米を七分搗きした糠。塩押し大根はだめで天日干し。着色料はダメ。ウコン、クチナシも使わなかった。甘味料や調味料も無しだが、ザラメ少しと柿やみかんの皮を使った。ナスの葉は使わない。僕はザラメを入れて塩気と対抗させる。保存料を使っての冷蔵庫保存もいやだから、桶でそのまま醗酵させておく。
- キムチ
5%の塩漬けで水気を十分に切る。朝鮮のキムチ用白菜ではないので、丸一日ぐらいは水切りが必要だ。品種は「無双」。
ベースは、第一群が本場から取り寄せたアミ塩辛と唐辛子粉末に我が家栽培の韓国唐辛子を刻んで混ぜる。第二群はもち米粉とイワシエキス(韓国から購入)に湧き水で糊状に煮る。第三群として、すりおろしたのはりんごにしょうが、にんにくとたまねぎ、これに蜂蜜を加える。これらにイカの塩辛やカナリエキスを加えてもいい。
三つのグループを全部混ぜて、白菜一枚一枚丁寧に塗りつける。なんともいえないいい香りに包まれて塗りつける作業は、美味しくなれよ、発酵頼むぞとつぶや着ながらの楽しい作業だ。塗りつけた白菜をだんご虫のように丸めて重ねていく。
隙間には、千切りした大根やにんじん、柿の皮、ねぎ、にら、せり等を詰める。重石はしない。2週間ぐらいしたら食べられるが、それまでとても待てないから明日でも味見しようかな。
- キムチ料理といい話
キムチは、「細胞の酸化」を抑制すると聞いた。これ、がん予防かな。「カスピ海ヨーグルト」の野菜版とも聞いた。「あるある大辞典」ではないが、栽培から口に入るまで手作りだから安心して食べられる。これが一番だろう。
昨日、お好み焼きに入れたら最高だった。豚肉との相性がいいようだし、豚肉は牛肉よりたんぱく質が多いから炒め物もいい。キムチチゲなんてこれまた最高だから新居ではキムチ三昧だぞ!!
- 白菜の塩漬け
ゆず、柿とりんごの皮、だしこぶ、唐辛子、塩(内モンゴルの天日塩)を入れて漬けた。